この記事でわかること

NISA歴4年の僕が、こんな疑問に答えます。
僕が2019年から始めたNISAの運用成績を紹介します。
筆者のNISA運用成績(2024年8月)


現在の積立設定はこんな感じ。
筆者のポートフォリオ


eMAXIS Slimシリーズで世界中の株式に分散投資しているインデックスファンドは、2種類あります。
結論、3地域均等型よりオルカンがおすすめです。
この記事を読めば、オルカンの方がおすすめの理由や、3地域均等型との違いがわかります。
これから新NISAで投資を始める予定の方は、読んで参考にしてください。


オルカンへの投資を始めるなら、新NISAに対応している銘柄ともらえるポイントの種類が多いSBI証券がおすすめです。
口座開設は無料で、開設したからいって無理にやる必要はないので、気軽に申し込んでみましょう。
すでにSBI証券以外で新NISAの口座をしていても、移管(乗り換え)は可能です。
3地域均等型とは?
3地域均等型は世界の株式市場に幅広く均等に投資している、インデックスファンドの一種です。
3地域均等型は、以下3つの地域へ約3分の1ずつ(33.33%)ずつ、均等に投資しています。
- 日本
- 先進国(日本を除く)
- 新興国
3地域均等型のメリットは、新興国や日本が伸びたときに、その恩恵を大きく受けられる点です。
一方、日本や新興国の株式はリターンが低いので、資産が伸びづらいデメリットがあります。



3地域均等型は、日本と新興国への期待値重視のファンドと考えておいてください。
3地域均等型とオルカンの違い
3地域均等型とオルカンではどのような違いがあるか、以下4つの項目で比較してみましょう。
- 構成比率
- 手数料
- リターン
- 人気度
構成比率
3地域均等型とオルカンそれぞれの構成比率で大きく違うのは、米国株と日本株の割合です。
オルカンは、米国株に約64%、日本株に約5%を投資しています。
オルカンの比率は世界の株式時価総額に基づいており、時価総額が大きい銘柄ほど組み入れられる比率が高くなるからです。
一方、3地域均等型は米国株に約25%、日本株に約33%投資しています。
日本と、先進国、そして新興国に3分の1ずつ投資しているから、日本株の比率が33%と高いわけです。



3地域均等型は、日本株が伸びてくれないと厳しそうだね。
手数料
手数料に関しては、オルカンの方がわずかに低く設定されています。
以下4つの手数料は、オルカンと3地域均等型は同じです。
オルカン | 3地域均等型 | |
---|---|---|
信託報酬 | 0.05775% | 0.05775% |
信託財産留保額 | なし | なし |
解約手数料(税込) | なし | なし |
買付手数料(税込) | なし | なし |
しかし、総経費率を比較すると、オルカンが0.11%であるのに対し、3地域均等型は0.13%となっています。
総計比率は、各ファンドの「請求目論見書」で確認できますよ。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の請求目論見書
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の請求目論見書
0.02%の差は小さいように見えますが、長期投資の場合はわずかな差が大きくなります。



長期運用ではできるだけコストを抑えたいので、オルカンに軍配が上がりますね。
リターン
リターンの面では、オルカンの方が上です。
設定来、つまり運用が始まってからのトータルリターンは、以下のとおり。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) (2018年10月31日運用開始) | プラス約145% |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) (2018年4月3日運用開始) | プラス約96% |
比べると、オルカンが1.5倍上回っていますね。
オルカンのリターンが3地域均等型の1.5倍ある理由
1.5倍の差を産むのは、米国株への投資比率でしょう。
株式投資は、現状米国株一強なので、米国株の比率が高いオルカンのリターンが大きくなるわけです。
事実、米国株のみで構成されているS&P500やナスダック100のリターンは、オルカンを上回っています。



オルカンは、強い米国株式の割合が高いため、リターンも大きくなるわけだね。



ただし、過去のパフォーマンスが将来の結果を保証するものではありません。
人気度
投資家からの人気は、オルカンの方が上回っています。
SBI証券でのランキングでは、以下のようになっていました。
オルカン | 3地域均等型 | |
---|---|---|
販売金額(週間) | 1位 | 70位 |
販売件数(週間) | 1位 | 52位 |
積立設定金額(月間) | 3位 | – |
積立設定件数(月間) | 1位 | 243位 |
NISA販売金額(週間) | 1位 | 44位 |
NISA積立設定件数(月間) | 1位 | 84位 |
トータルリターン(1年) | 271位 | – |
分配金利回り | – | – |
純資産増加額(前月比) | 1位 | 270位 |
資金連続流入(3ヶ月) | 1位 | 171位 |
いずれの項目も、オルカンが勝っていますね。
この人気の差は、オルカンのパフォーマンスの高さや、世界の株式時価総額に基づいた構成のわかりやすさによるものと考えられます。
ただし、人気が高いからといって必ずしもご自身の投資目的や考え方に合っているとは限りません。



投資においては、「最終的にどれくらいの資産が欲しいか」、「どれくらいのリスクなら許せるか」が重要です。
3地域均等型よりオルカンがおすすめである3つの理由
僕は、以下3つの理由で3地域均等型よりオルカンをおすすめします。
- リターンが上
- 投資先が最適化されている
- 繰上償還の可能性が低い
リターンが上
先ほど紹介したとおり、オルカンのトータルリターンはプラス約145%となっており、3地域均等型のプラス約96%を大きく上回っています。
現在、世界の株式市場において最も強い成長を見せているのは米国株です。
オルカンは米国株の割合が60%以上を占めているため、この成長をより多く取り込めています。
一方、3地域均等型は米国株の比率が25%程度と低めに設定されているため、米国株の好調な成績を十分に反映できていません。
さらに、トータルリターンが低い日本株や新興国株の割合が高い点も、3地域均等型のリターンが低い要因でしょう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 191.98% |
---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 103.29% |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 85.26% |
eMAXIS Slim 新興国株式 | 55.20% |



投資するのはいいけど、リターンが低いんだったら少なめの方が良さそう。
投資先が最適化されている
オルカンは、全体が世界の株式時価総額に比例するように組み入れられています。
強い企業の株式は多め、弱い企業の株式は少なめに投資していますよ。
さらに、定期的に組入比率の調整が行われるため、市場の変化に応じて自動で最適化されるのも、オルカンのメリットです。
一方、3地域均等型は日本株、先進国、新興国がそれぞれ3分の1ずつと固定されています。
このため、成長が乏しい日本株や、リスクの高い新興国への投資比率が、どうしても高くなってしまうのが3地域均等型です。



でも、日本株が強くなったら3地域均等型の方が有利になるんじゃない?



そのときは、オルカンの日本株が多く組み入れられるはずなので、オルカンの方がおすすめなわけです。
繰上償還の可能性が低い
オルカンは純資産総額が大きいので繰上償還、つまり途中で運用が終わってしまう可能性が低く安定的です。
オルカンと3地域均等型の純資産総額は、以下のとおり。
オルカン | 4,057,245百万円(約4兆円) |
---|---|
3地域均等型 | 17,477百万円(約174億円) |
純資産総額が小さいと、効率的な資産運用が難しくなり、最悪の場合、ファンドの運用が予定より早く終了して償還されるリスクがあります。
これに対し、オルカンは4兆円以上の純資産を保有しているため、資金不足で運用が終了するような事態は考えにくいでしょう。



インデックスファンドは、ほったらかして長期的に運用していきたいので、繰上償還の可能性が低いオルカンがいいんだね。
オルカンに投資するならSBI証券がおすすめ
購入できる銘柄数 | つみたて投資枠:218本 |
---|---|
成長投資枠:1153本 | |
積立最低額 | 100円 |
クレジットカードでの積立 | ◯ |
対応クレジットカード | 三井住友カード Oliveフレキシブルペイアプラスカード 東急カード タカシマヤカード UCSマークのついたカード 大丸松坂屋カードオリコカード |
還元してもらえるポイント | Tポイント Pontaポイント dポイント Vポイント JALのマイル PayPayポイント |
オルカンに投資するなら、SBI証券で新NISAの口座を開設して買い付けるのがおすすめです。
SBI証券には、新NISAで投資できる銘柄が多く、積立投資でもらえるポイントの種類が多いなどのメリットがあります。
SBI証券のメリット
- アプリが見やすい
- オルカン以外の新NISAに対応している銘柄が多い(つみたて投資枠:約230銘柄)
- もらえるポイントの種類が多い(Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイル・PayPayポイント
SBI証券は人を選ばないので、悩んだらSBI証券を選べば間違いないでしょう。
SBI証券の口座を開設する方法
SBI証券で新NISAの口座を開設する場合、まずSBI証券の証券総合口座を開設する必要があります。
- 「口座開設にすすむ」からメールアドレスを登録
- 送られてくる認証コード(6桁)を入力
- 基本情報を入力
- 規約に同意
- 口座開設方法を選択
- 本人確認書類を提出
- 開設を待つ
③の「基本情報を入力」では、必ずNISAを申し込むを選びましょう。
なお、⑥の「本人確認書類を提出」ではネットと郵送のどちらかを選びますが、こだわりがないなら開設までにかかる時間が短いネットを選びましょう。
SBI証券に新NISA口座を移管する方法
SBI証券に新NISAの口座を移管する場合、9月30日までに手続きしておく必要があります。
- 新NISA口座を開設した金融機関に移管の申し出
- SBI証券の口座を開設
- SBI証券の口座から新NISAを開設
- 申し込みページから「他社からのNISA乗り換え」を選ぶ
- 前の金融機関から受け取った「廃止通知書」に記載されている14桁の番号を入力
- 本人確認書類を提出
新NISAの口座移管(口座の変更)には「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が必要です。
①で新NISAの口座を今持っている金融機関に口座移管を申し出て、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取りましょう。
新NISA口座の開設は、SBI証券の口座開設後でも、同時でもできます。
手続きがスムーズなので、今の金融機関に新NISA口座の移管を申し出てすぐに、SBI証券の口座を開設しておきましょう。
楽天経済圏ユーザーなら楽天証券
購入できる銘柄数 | つみたて投資枠:211本 |
---|---|
成長投資枠:887本 | |
積立最低額 | 100円 |
クレジットカードでの積立 | ◯ |
対応クレジットカード | 楽天カード |
還元してもらえるポイント | 楽天ポイント |
楽天モバイルや楽天カードなどの、楽天経済圏を利用している方には、楽天証券がおすすめです。
楽天カードを使って積立投資すれば、0.5%〜1%の楽天ポイントがもらえます。
三井住友カードは年間利用額でもらえるポイント率が変わるのに対して、楽天カードは年間利用額は関係なく一律です。
すでに楽天モバイルや楽天カードといった楽天経済圏を利用している、または乗り換えを検討している方は楽天証券を選ぶのがいいでしょう。
楽天証券で口座を開設する方法
楽天証券も同じく、新NISAを始めるには楽天証券の口座が必要です。
- 楽天アカウントにログイン(またはメールアドレスを登録)
- 届いたメールのリンクをタップ
- 本人確認書類を提出
- 基本情報を入力
楽天証券の口座開設とあわせて、新NISAの口座も開設しておきましょう。
手順どおり進めていけば、「新NISAの口座を開設しますか?」と聞かれるので、「開設する」を選べば開設できます。
楽天カードの申し込みもできるので、あわせて申し込むのがおすすめです。
楽天口座に新NISA口座を移管する方法
すでに新NISAの口座をほかの金融機関で開設している場合、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が必要です。
- 新NISA口座を開設した金融機関に移管の申し出
- 楽天証券の口座を開設
- 楽天証券の口座から新NISAを開設
- 申し込みページから「他社からのNISA乗り換え」を選ぶ
- 前の金融機関から受け取った「廃止通知書」に記載されている14桁の番号を入力
- 本人確認書類を提出
新NISAの口座開設がスムーズになるので、勘定廃止通知書と非課税口座廃止通知書が届くまでに楽天証券の口座を開設しておくのがおすすめです。
よくある質問
- 全世界株式でおすすめのファンドは?
- オルカンとS&P500はどちらがおすすめ?
- 3地域均等型と8資産均等型の違いは?
- 3地域均等型の活用方法は?
- 3地域均等型はどこで買い付けできる?
全世界株式でおすすめのファンドは?
全世界株式に投資するファンドの中で、最もおすすめなのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」です。
なぜなら、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)は、全世界株式系のインデックスファンドの中で最も信託報酬が低いから。
低コストであることは、長期投資において非常に重要な要素となります。
わずかな手数料の差も、長期間にわたって複利効果により大きな差となって現れるでしょう。



オルカンに投資するなら、運用コストが低いeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)がおすすめなわけです。
iDeCoでは投資できない可能性がある
注意点として、iDeCoではeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)を、取り扱っていない可能性があります。
もしiDeCoになかった場合は、以下のインデックスファンドを選んでください。
できるだけ信託報酬が低く、ほかの手数料がかからないインデックスファンドを選びましょう。
オルカンとS&P500はどちらがおすすめ?
どちらを選んでも問題ありません。
オルカンとS&P500はどちらも優れたインデックスファンドで、どちらを選ぶかはご自身の好みや投資方針によって異なります。
選び方としては、以下の基準を参考にしてください。
- 米国1本に賭けたいS&P500
- 米国株もいいけど、インドや日本も気になるオルカン
「オルカンとS&P500はどちらがいいか」という論争が続いています。



しかし、好みの問題なので、納得できる方を選びましょう。
両方に投資するのはあり?
どうしても決められないなら、オルカンとS&P500の両方に半分ずつ投資してもいいでしょう。
リターンや運用コストが、オルカンとS&P500の間になるだけです。
オルカンとS&P500に半々で投資した時のリターンは、下グラフの赤点になるでしょう。


両方のいいとこ取りにはなりませんし、デメリットの上乗せもありません。
なので、オルカンとS&P500の半々から始めて、あとからどちらかに一本化してもいいでしょう。



なお、僕はオルカンをメインにTracers S&P500 トップ10インデックス(米国株式)というインデックスファンドを、少し組み入れたポートフォリオを運用しています。
3地域均等型と8資産均等型の違いは?
3地域均等型と8資産均等型の違いは、投資対象の範囲です。
3地域均等型は株式のみに投資するファンドで、日本、先進国(日本除く)、新興国の3つの地域に均等に投資します。
一方、8資産均等型は株式だけでなく、債券やリート(不動産投資信託)にも分散投資するインデックスファンドです。
具体的には以下の8つの資産に均等に投資します。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内リート
- 先進国リート
8資産均等型は、アセットアロケーション(資産配分)を重視する投資家向けのインデックスファンドといえます。



株式以外の資産にも投資するため、3地域均等型に比べてリスクを分散させやすいのが、8資産均等型の特徴です。
3地域均等型の活用方法は?
3地域均等型は、日本株と新興国株の比率を増やしたいときに投資しましょう。
その理由は、3地域均等型なら日本株と新興国株の比率を、コスパ良く増やせられるからです。
eMAXIS Slimシリーズの信託報酬を比較すると、以下のとおり。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | 0.05775% |
---|---|
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 0.1518% |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX・日経平均) | 0.143% |
国内株式と新興国株式をそれぞれ個別に買い付けるよりも、3地域均等型に投資した方が信託報酬を抑えられます。



3地域均等型なら低コストで、日本株と新興国株への投資比率を高められるわけだね。
3地域均等型はどこで買い付けできる?
3地域均等型は、多くのネット証券会社で買い付けでき、以下の3社がおすすめです。
上記3社はいずれも新NISAで3地域均等型を買い付けできます。
まだ新NISAを始めていない方は、口座の開設を検討してみてください。
まとめ:3地域均等型よりオルカン
繰り返しになりますが、以下3つの観点からみると、3地域均等型よりオルカンの方がおすすめです。
- リターン
- 投資先の最適化
- 繰上償還の可能性
現状、株式投資は米国株一強なので、米国株を多く組み入れた方がリターンは大きくなります。
もし、今後経済の勢力図が変わっても、自動で対応してくれるのがオルカンのメリットです。
また純資産総額が大きく繰上償還の可能性は低いので、安心して長期的に運用できます。
比較すると3地域均等型はメリットが少ないので、世界中の株式に分散投資したい方はオルカンを選びましょう。


オルカンに投資するなら、SBI証券がおすすめです。
SBI証券なら、積立投資やクレジットカードでの支払いでたまったポイントを、オルカン投資に利用できます。
口座開設は無料なので、気軽に口座開設を申し込んでみましょう。
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