この記事でわかること

NISA歴4年の僕が、こんな疑問に答えます。
オルカンは、世界中の株式への分散投資がコンセプトのファンドです。
しかし、実際は全世界の株式に投資しているわけではありません。
さらにいうと、均等に投資しているわけではなく、ある程度偏って投資しています。
この記事では、どこにどれくらい投資しているのか紹介します。
オルカンの投資先に不安がある方向けの、補強策も解説しているので、読んで参考にしてください。
オルカンについてよくわからない方は、佐田の記事を読んでからこのページに戻ってきてくださいね。




新NISAで資産運用するなら、投資について勉強するのがおすすめです。
勉強しておけば、投資に詳しくなれる上に、詐欺に引っかかる可能性も下がります。
KindleやAudebleなら、スマホ1台あればどこでも読書できますよ。
30日間の無料お試し期間があるので、気軽に登録してみてください。
\KindleUnlimitedの登録はこちら/
\Audibleの登録はこちら/
オルカンの中身
オルカンは、 ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)という指数に連動した運用結果をめざした、インデックスファンドです。
ACWIは、先進国23カ国+新興国24カ国に上場している2900銘柄に、時価総額に対して加重平均で投資しており、株式市場の85%をカバーしています。



加重平均って、どういうこと?



時価総額が大きい銘柄には多く、少ない銘柄には少なめに投資しています。
たとえばマイクロソフトやAmazonといった時価総額上位の企業には2%以上組み込んでいるのに対して、7位以降の企業の割合は1%以下です。
先進国23カ国+先進国24カ国に投資
投資先の上位10カ国と比率は、以下のとおりです。
投資国上位10カ国 | 投資割合 |
---|---|
米国 | 61.6% |
日本 | 5.3% |
イギリス | 3.5% |
フランス | 2.7% |
カナダ | 2.6% |
スイス | 2.1% |
ドイツ | 1.9% |
インド | 1.8% |
台湾 | 1.7% |
オーストラリア | 1.6% |
このように、均等に投資しているわけではなく、米国株式が60%以上を占めています。



加重平均で投資しているってことは、それだけ米国が強いってことだね。



実際、米国株式1本化しているS&P500のリターンは、オルカンに勝っていますよ。
なお、投資先は定期的に見直されており、場合によっては外される国もあり、2022年には、ロシアが外されています。
約2900銘柄に投資
おもな投資先は、以下の上位10銘柄です。
投資銘柄上位10銘柄 | 投資割合 |
---|---|
マイクロソフト(米国) | 3.9% |
アップル(米国) | 3.8% |
エヌビディア(米国) | 3.7% |
アマゾン(米国) | 2.2% |
メタ・プラットフォームズ(米国) | 1.4% |
アルファベット-クラスA(米国) | 1.4% |
アルファベット-クラス C(米国) | 1.2% |
イーライリリー(米国) | 0.9% |
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(台湾) | 0.9% |
ブロードコム(米国) | 0.8% |
こちらも9位の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングを除いて、すべて米国の企業です。
上位にはマイクロソフトやアップル、アマゾンといった、日本でも馴染みの深い企業が含まれています。
オルカンは、有名企業を中心に、さまざまな銘柄に分散投資しているファンドと考えていいでしょう。



Googleは投資先に入っていないの?



Googleは、アルファベットの子会社に入っているので、実質Googleにも投資していると考えていいですよ。
下位15%の小型株には投資していない
『全世界株式』と冠してはいますが、実際には上場している企業だけが投資対象です。
さらに、上場企業のうち、下位15%の銘柄は投資対象とはなっていません。
上場している企業を大きく分けると、
- 上位70%の大型株
- 中位15%の中型株
- 下位15%の小型株
の3パターンに分かれます。
オルカンは、大型株と中型株に投資しているんだね。
ちなみに、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという、小型株も対象とした指数もあります。
SBIアセットマネジメントが運用している、『全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)』が、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを採用しています。
オルカンはおすすめのインデックスファンド
オルカン、とくにeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)は、初心者から上級者まで、人を選ばずおすすめできるインデックスファンドです。
- リターンは好調
- 運用コストは業界試合低水準
- 投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearの1位常連
リターンは好調
オルカンの運用が始まった2018年10月31日以来、約150%のトータルリターンを出しています。
2020年3月あたりで、コロナショックの影響で大きく下落した以外は、順調に成長していますよ。


円安の影響もあるため、少し出来過ぎのような気はしますが、それでも順調に成長しています。



円高になったら、どうなるの?



現金化するときには損ですが、買い付けるときはお得になります。
なお、ACWIの30年間の平均年利は、円ベースで+9.4%です。(参照URL:https://myindex.jp/data_i.php?q=MS1025JPY)
運用コストは業界最低水準
オルカンの運用コストはとにかく低く、業界最低水準です。
運用コストには、以下4つの運用コストがあります。
- 信託報酬
- 信託財産留保額
- 販売手数料
- 解約手数料
オルカンの信託報酬は0.05775%と低めに設定されている上に、ほかの運用コストはかかりません。
100万円分持っている場合、年間の運用コストはわずか575円です。
運用コストが高いほど、リターンに悪影響が出るため、運用コストが低いオルカンは優秀なファンドといってもいいでしょう。



なお、販売手数料がかからないことを、『ノーロード』といいます。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearの1位常連
毎年開催されている『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year』という人気投票では、2019年から2023年の5年連続1位を獲得しています。



ほかに連続して1位になったファンドはあるの?



複数回1位になったファンドはありますが、連続で1位に選ばれたのはeMAXIS Slim 全世界株式だけです。
紹介したように、運用コストは低めで長期的なリターンが安定しているところを評価しているのでしょう。
実績と評価が高いので、オルカンはおすすめできるファンドなわけです。
なお、オルカンは、長期間コツコツ積み立てて、売らずに所持し続けてお区だけで運用できますよ。
分散効果を高めるなら債券にも投資
オルカンは世界中の株式に投資してはいますが、分散力はあまり高くありません。
その理由は、投資している資産クラスが株式だけだから。
世界的に株式が暴落してしまうと、オルカンファンドもダメージを受けてしまいます。
実際、2020年3月あたりに起こったコロナショックでは、ガクッと落ちてしまいましたね。
債券はコロナショックに強かった
コロナショックによる影響がどれくらいあったか、2020年3月前後の全世界株式と先進国債券のチャートを比較してみましょう。


全世界株式は下落しているのに対して、先進国債券は横ばいのチャートが続いていますね。
「オルカンだけはリスクが怖い」という方は、債券を組み込んでみてください。
おすすめはeMAXISI Slim 先進国債券インデックス
おすすめは、先ほどチャートでも紹介した『eMAXIS Slim 先進国債券インデックス』です。
ファンド設定日 | 2017年2月27日 |
---|---|
ベンチマーク | FTSE世界国債インデックス |
運用方針 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)と連動する投資成果をめざして運用 為替ヘッジなし |
信託報酬 (運用管理費用) | 0.154% |
販売手数料(購入時手数料) | なし |
信託財産留保額 | なし |
運用が始まってからのトータルリターンは、37.96%です。(2024年6月17日現在)



日本の債券はあるの?



ありますが、運用開始以来マイナスが続いているので、おすすめしません。
債券にも投資するなら、30%〜40%ポートフォリオに組み込んでください。
なお、無理に債券を組み込む必要はありません。
よくある質問
- ACWIとFTSEの違いは?
- S&P500との違いは?
- 両方積み立てるのはあり?
- オルカンが持っているリスクは?
- オルカンはどこで買える?
- 仮想通貨やNFTはリスク分散になる?
ACWIとFTSEの違いは?
ACWIとFTSEの違いは、先ほど紹介した小型株を含んでいるかどうかです。
ACWIは下位15%の小型株は含めていないのに対して、FTSEは小型株も含めた9,000銘柄に投資しており、株式市場の98%をカバーしています。



ACWIとFTSEは、どっちがいいの?



結論、どちらもたいして変わりません。
その理由は、ACWIとFTSE、どちらも時価総額に対して荷重平均で分散投資しているから。
運用結果に大差はない
ACWIをベンチマークとしたeMAXIS Slim 全世界株式と、FTSEがベンチマークのSBI・全世界株式インデックス・ファンドのチャートを比べてみましょう。


eMAXIS Slim 全世界株式が少し勝っていますが、ほぼ同じ動きですね。



差が出る理由ってなに?



信託報酬の差でしょう。
信託報酬は、eMAXIS Slim 全世界株式が0.05775%に対して、SBI・全世界株式インデックス・ファンドは0.1022%と約2倍です。
手数料として取られる額が違うため、リターンに差が出ています。
運用結果そのものはほぼ変わらないため、どちらを選んでも大差ないわけです。
S&P500との違いは?
投資先の範囲が異なります。
オルカンは先進国23カ国+新興国24カ国の2900銘柄への投資に対して、S&P500は米国の上位500銘柄が投資対象です。
S&P500は米国株式の代表的な指数で、米国株式の約80%をカバーしています。
S&P500も、おすすめのファンドです。
なので、最初はオルカンかS&P500のどちらかに投資しましょう。
両方積み立てるのはあり?
『オルカンとS&P500、どっちがいいかわからないから選べない』という方は、両方に積み立てるのはありです。
オルカンとS&P500に半分ずつ投資しても、とくにデメリットはありません。
両方に投資するとどうなるかというと、運用コストとリターンがオルカン以上S&P500未満になるでしょう。


そこまで困ることはないはずなので、どうしても決められないなら両方買い付けていきましょう。
ちなみに、僕も決められなかったので、両方に半分ずつ投資し続けていますよ。
大きなデメリットはありませんが、とくにメリットもありません。
投資先の80%が米国になり、分散力が低くなるので、気になる方は早めにどちらか1本化し他方がいいと思います。
オルカンが持っているリスクは?
オルカンの一番大きいリスクは、為替リスクです。
海外に投資するため、一旦外貨に両替されます。
そのため、円高や円安の影響を受けてしまうわけです。



円高と円安は、どっちがいいの?



状況によりますね。
積み立てているタイミングなら安く積み立てられる円高の時期がお得で、日本円に替えるタイミングなら、円安の時期がリターンは高くなります。
まとめると、どうなるかわからない円高や円安の影響を受けるため、為替リスクがオルカン一番のリスクといえるでしょう。
リスク=マイナスになる可能性ではない
投資におけるリスクとは、リターンのブレをいいます。
未来がわからない以上、大きくプラスになる可能性があれば、大きなマイナスになる可能性もあるでしょう。
上と下の差が大きいほどリスクが高いことになり、逆に差が小さいほどリスクが小さいというわけです。
オルカンはどこで買える?
オルカン投資を始めるなら、証券会社がおすすめです。
なぜなら、銀行は投資家を守ってくれる投資家保護基金の対象外だから。
投資家保護基金なら、証券会社が破綻または財政困難に陥ってしまったとき、1人1,000万円まで保護してもらえます。
銀行は投資家保護基金が適応されないため、万が一が起こってしまった場合はすべて失う可能性があるわけです。



なので、オルカン投資は、証券会社で始めましょう。
なお、1,800万円まで投資しても税金が発生しない、新NISAがおすすめです。
新NISAについて詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
仮想通貨やNFTはリスク分散になる?
結論、分散の効果はありません。
なぜなら、非常に不安定だから。
2024年6月現在、ビットコインを中心に仮想通貨は絶好調です。
しかし、今後を予想する材料が少なすぎるため、予測を立てづらくなっています。
NFTも流動性が低い、つまり現金化しづらいデメリットがありますよ。



なので、値上がりに期待して仮想通貨やNFTを買うのはおすすめしません。
なお、NFTには素晴らしい作品が多くあるので、趣味でコレクションするのはありです。
全世界に投資しているわけではなかった
繰り返しになりますが、オルカンは先進国23カ国+新興国24カ国の2,900銘柄に投資しています。
投資先には、アップルやアマゾン、マイクロソフトといった日本でも馴染みの深い企業が含まれていますよ。
しかし、時価総額に対して加重平均で投資しているため、投資先は偏っており、分散効果はあまり高くありません。
オルカン1本でもいいのですが、気になる方は債券にも投資しておきましょう。
なお、これからオルカンに投資するなら、新NISAを活用するのがおすすめです。
ここまで読んだあなたは、かなり勉強熱心な方です。
その熱量で、新NISAや投資、お金の勉強も始めてみてください。
読書するなら、電子書籍のKindleや、オーディオブックのAudibleがおすすめです。
KindleとAudibleは、スマホ1台あればどこでも本を読んだり聴いたりできます。
ちょっとした待ち時間や移動中などの隙間時間を、有効に活用して学んでいきましょう。
KindleとAudible、どちらも30日間の無料お試し期間があります。
まずは登録してみて、気に入ったらそのまま使いましょう。
気に入らなくても、登録から30日以内に解約すれば月額料金は発生しないので、気軽に登録してみてください。
\KindleUnlimitedの登録はこちら/
\Audibleの登録はこちら/
どんな本を読めばいいかわからない方は、下の記事を参考にしてください。


コメント