この記事でわかること

NISA歴4年の僕が、こんな疑問に答えます。
マイナス5%ルールは、市場が5%以上下落したタイミングで追加投資を行う、投資の手法です。
この記事では、マイナス5%ルールの概要やオルカンへの適用方法、具体的な実行手順について詳しく解説します。
さらに、マイナス5%ルールの注意点も解説しているので、オルカン投資の効率を上げたい方、長期的な資産形成を目指す方は、参考にしてください。


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マイナス5%ルールとは?
マイナス5%ルールとは、金曜日の時点でS&P500が前週の金曜日より、5%以上下落したときに、一括で追加投資をおこなう戦略です。
この手法は、投資塾ゆうという方が、考案しました。



有名な人なの?



投資系のYouTubeチャンネルを運営しており、2024年7月の時点で、チャンネル登録者数が15.8万人です。
一括投資をやりやすくする仕組み
一括投資は、早めにやっておいた方が有利と言われています。
その理由は、投資するタイミングが早いほど、複利の効果を長い期間うけられるからです。
しかし、『投資してすぐに暴落がきたらどうしよう』、『まだまだ下がるかも』と考えてしまい、一括投資ができない方は多いでしょう。
これらの考えは、明確な投資のタイミングがわからないから出てくるわけです。
逆にいえば、明確なルールがあれば一括投資がやりやすいだろうということで、5%ルールが考案されました。



つまり、『5%下がっていたら追加投資する』っていう、一括投資をやりやすくする仕組みなんだね。
マイナス5%ルールの半年後は勝率75%以上
先ほど紹介した投資塾ゆう氏が執筆した書籍『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』で、マイナス5%ルールの勝率が紹介されています。
1984年〜2023年の間で、S&P500でマイナス5%ルールを実行した場合、投資後26週間(半年)待つと勝率は75%近くに達するようです。
1984年〜2023年の40年間で5%以上下落したタイミングは39回あり、それらすべてを合わせた勝率は以下のとおり。
5%下落からの経過 | 勝率 | 上昇回数 | 下落回数 |
---|---|---|---|
4週間後 | 61.5% | 24回 | 15回 |
13週間後 | 74.4% | 29回 | 10回 |
26週間後 | 76.9% | 30回 | 9回 |
52週間後 | 76.9% | 30回 | 9回 |
まず、5%下落してから4週間後の時点で、勝率が60%を超えていますね。
26週間後、つまり半年後に勝率が最大化され、約77%になっています。
つまり、マイナス5%ルールは、3ヶ月後には4回中3回勝っているわけです。



でも、利益が低かったら意味ないよね?



どれくらいの利益が出ているかも、書籍内で紹介されていますよ。
勝利時の利益は敗北時の損失の2倍
先ほど表で検証した
- 4週間後
- 13週間後
- 26週間後
- 52週間後
のタイミングで、勝ったときの利益率は、負けたときの損失率を上回っています。
5%下落からの経過 | 勝利時の平均利益率 | 最大利益率 | 敗北時の平均損失率 | 最大損失率 |
---|---|---|---|---|
4週間後 | 7.5% | 24.7% | -5.6% | -19.5% |
13週間後 | 11.3% | 37.6% | -7.6% | -21.8% |
26週間後 | 16.0% | 48.7% | -8.1% | -23.4% |
52週間後 | 26.1% | 69.8% | -11.2% | -35.8% |
26週間待てば、損失率の約2倍の利益率を得られています。
まとめると、マイナス5%ルールは、勝率と利益率が高い上にわかりやすい投資方法なわけです。
マイナス5%ルールはオルカンに応用可能
もともとマイナス5%ルールは、S&P500を前提に作られたルールでした。
しかし、オルカンにも応用できる投資戦略です。
その理由は、オルカンはS&P500と同じような動きをしているからです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、設定日(運用が始まった日)から2024年6月3日までに9回、5%以上下落しています。
S&P500が5%以上下落したタイミング


オルカンのeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)が5%以上下落したのは6回で、いずれもS&P500と同じタイミングです。
オルカンが5%以上下落したタイミング





5%以上落ちたあとは、どうなったの?



最終的には、上昇しています。
5%以上落ちたタイミングは買い時
では、5%以上落ちる前後がどのような動きなのか、細かくみてみましょう。
2ヶ月連続で5%以上下落した、2022年6月17日の前後2ヶ月は以下のとおり。


見ると、2022年6月17日が一番の買い時ですね。
直前の5%下落タイミング(5月13日)も、買うのにうってつけのタイミングです。



このように、S&P500と同じような動きをしているオルカンでも、マイナス5%ルールは応用できるといえるでしょう。
オルカンでマイナス5%ルールを実行する方法
オルカンでマイナス5%ルールを実行する手順を、SBI証券で解説します。
- マイナス5%ルールの資金を確保
- 毎週金曜日に基準価格をチェック
- 5%以上下落していたら買い付け
まずは、マイナス5%ルールに向けた準備が必要です。
1.マイナス5%ルールの資金を確保
まず、追加投資用の資金を確保しましょう。
先ほど紹介したした書籍『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』では、1年分の投資額を目安としています。
ただ、毎月の投資額によっては、1年分の投資額を用意するのが難しい方もおられるでしょう。
その場合は、可能な範囲で資金を確保すればOKです。



用意した資金は、どこにおいておけばいいの?



SBI証券なら、住信SBIネット銀行の『SBIハイブリッド預金』に入れておいてください。
買い付けは、SBIハイブリッド預金のお金で行われます。
2.毎週金曜日に基準価格をチェック
毎週金曜日に、オルカンの基準価格をチェックしましょう。
SBI証券の場合、以下の箇所を見ればOKです。





毎週見るのはめんどくさいから、何かいい方法はないの?



SBI証券には特定の条件で通知がくる『アラートメール』がありますが、マイナス5%ルールには利用できませんでした。
5%以上下落していたら買い付け
基準価格をチェックした結果、1週間前の金曜日と比べて5%以上の下落が見られた場合、それが買い付けのタイミングです。
準備していた資金を使って、オルカンを購入しましょう。
新NISAを利用している場合は、成長投資枠で買い付ければOKです。
成長投資枠で買い付ける手順は、以下のとおり
まず、SBI証券にログインして、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のページを開きます。
開いたら、『金額買付』をタップしましょう。


場合によっては、目論見書と目論見書補完書面が表示されるので、読んで『同意して次へ』を押してください。
預り区分を『NISA預り(成長投資枠)』に変更してください。


特定預り/一般預かりのまま買い付けると、利益に税金がかかってしまいます。
なお、追加購入は、つみたて投資枠ではできません。
任意の金額を入力しましょう。


金額を決めたら、取引パスワードを入力してください。


最後に『注文発注』を押せば、取引完了です。
気になる方は、『注文確認画面へ』をタップして、確認しましょう。
繰り返しますが、新NISAのつみたて投資枠では、追加投資はできません。
マイナス5%ルールの注意点
マイナス5%ルールに挑戦するなら、以下の4点に注意してください。
- いつ来るかわからない
- 必ず5%以上の下落時に追加投資
- オルカンはすぐには買えない
- マイナス5%ルールを実践するのはオルカン投資に慣れてから
いつ来るかわからない
5%以上の下落は、定期的には起こりません。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の例を見ると、5%以上の下落は6回ありました。
しかし、下落のタイミングはバラバラで、2021年と2023年には一度も5%以上の下落が起こっていません。



S&P500の場合はどうなの?



1984年1月〜2023年12月の40年間に40回ありましたが、やはりバラバラですね。
S&P500でもバラバラ
1984年〜2023年のS&P500は年平均で1回来ていますが、1回だけ5%以上下落したのは5回だけです。
また、1回も5%以上落ちなかった年が23回と、半分以上あります。
一方、年間最多回数は、2008年の6回です。



2008年といえば、リーマンショックのタイミングだね。
リーマンショック前後の、5%以上下落した回数は、以下のとおり。
5%以上下落した回数
年代 | 5%以上下落した回数 |
---|---|
2003年 | 0回 |
2004年 | 0回 |
2005年 | 0回 |
2006年 | 0回 |
2007年 | 0回 |
2008年 (リーマンショック) | 6回 |
2009年 | 2回 |
2010年 | 2回 |
2011年 | 2回 |
2012年 | 0回 |
2013年 | 0回 |
2014年 | 0回 |
このように、マイナス5%のタイミングは不定期であり、長期間発生しない可能性があるわけです。
必ず5%以上の下落時に追加投資
3%や4%の下落時に買い付けを行うと、投資回数が大幅に増加してしまいますよ。
たとえば、2018年11月2日〜2024年6月3日の期間では、3%以上の下落が15回、4%以上の下落が10回発生しています。
これらすべてに対応しようとすると、資金が続かないでしょう。
暴落時の買い付けチャンスに対応するためにも、『5%以上下落していたら買い付ける』を徹底してください。
オルカンはすぐには買えない
オルカンの受け渡しは、約定日から4営業日後です。
金曜日に買い付けると、翌週の水曜日が受渡日になります。
途中で、祝日がある場合は、さらにズレ込みますよ。
受渡日の基準価格で買い付けるため、5%下落した基準価格で買い付けできない可能性があるわけです。
実際、2022年9月30日(金曜日)の場合、受渡日は基準価格が上がっています。
2022/09/29 | 16,209円 | 196円 | |
約定日 | 2022/09/30 | 16,016円 | 193円 |
2022/10/03 | 15,885円 | 131円 | |
2022/10/04 | 16,205円 | 320円 | |
受渡日 | 2022/10/05 | 16,619円 | 414円 |
このように、マイナス5%ルールが発動したタイミングの価格では購入できません。



じゃあ、ダメじゃん。



前週金曜日より下がっていれば、問題ありませんよ。
前週金曜日よりは下がっている
2022年9月30日(金曜日)と、前週金曜日(9月16日)と比べると、基準価格は下がっています。
前週金曜日 | 2022/09/16 | 19,637円 |
---|---|---|
約定日 | 2022/09/30 | 16,016円 |
受渡日 | 2022/10/05 | 16,619円 |
約定日と前週金曜日を比べると、3,000円以上下落していますね。
このように、前週の金曜日よりは安くなっている場合があるので、受渡日の価格が約定日より高くても気にしなくていいでしょう。
マイナス5%ルールを実践するのはオルカン投資に慣れてから
投資初心者は、運用結果を見ないのがおすすめです。
しかし、マイナス5%ルールを実行する場合、毎週運用結果を見ることになります。
もし下落していた場合、オルカン投資に慣れている方なら『まぁこんなもんだろう』ですみますが、慣れていない方なら気になって仕方がないはずです。
投資している人が一番投資成績がいいと言われるくらい、ほったらかす運用方法が推奨されているのがオルカン投資です。
なので、オルカン投資を始めた手の方は、マイナス5%ルールはやらない方がいいでしょう。



いつからマイナス5%ルールを始めたらいいの?



オルカン投資に対して、物足りなさや退屈さを感じたら、マイナス5%ルールに挑戦してみてください。
マイナス5%ルールに関するよくある質問
- マイナス5%ルール用の資金を用意する方法は?
- マイナス5%ルールと4%ルールの違いは?
- マイナス5%ルール以外にオルカンの投資戦略はある?
マイナス5%ルール用の資金を用意する方法は?
マイナス5%ルール用の資金を用意する方法としては、
- 節約で支出を減らす
- 副業で収入を増やす
といった方法がありますよ。
日々の生活を見直して不要な出費を削減すれば、投資に回せる資金を増やせられます。
- 格安スマホに乗り換える
- 外食を減らす
- サブスクを見直す
また、副業で得た収入なら、全額そのまま投資に充てられます。
オルカン投資で重要なのは入金力、つまり投資額の大きさです。
興味のある方は、節約や副業に挑戦してみてください。
マイナス5%ルールと4%ルールの違いは?
4%ルールは、資産を取り崩すための戦略です。
毎年4ずつ取り崩した場合、30年後に資産が96%の確率で残り続けるという実験データがあります。
つまり、マイナス5%ルールは資産形成期に使用する戦略で、4%ルールは資産取り崩し期に適用する戦略です。
マイナス5%ルール以外にオルカンの投資戦略はある?
オルカン投資戦略で有効なのが、「積み立ててほったらかす」という方法です。
月1ペースでオルカンに一定額を投資し、長期間にわたってそのまま運用を続けていけば、市場の短期的な変動に惑わされることなく、長期的な成長を狙えます。
記事内でもふれたとおり、投資の結果が一番いいのは、投資していることを忘れた人です。
『毎月何日にいくら買い付けるか』設定して、あとは忘れるくらいほったらかしておきましょう。
ただし、お金を確保しておかないと、自動での積み立ては行ってもらえません。
なので、お金は、忘れずに用意しておいてください。
まとめ:マイナス5%ルールは一括投資のハードルを下げるルール
『オルカンは一括投資が有効です』と言われても、『買い付けてすぐに暴落したらどうしよう』と考えて、躊躇する方は多いはずでしょう。
そのような不安を吹き飛ばすのが、マイナス5%ルールです。
毎週金曜日に基準価格をチェックして、先週の金曜日から5%以上下落していたら買い付ける、という流れになります。
オルカン投資に物足りなさや退屈さを感じてきたら、マイナス5%ルールに挑戦してみてください。
挑戦するまでに、節約や副業で、マイナス5%ルール用の軍資金を用意しておきましょう。


ここまで読んだあなたは、かなり勉強熱心な方です。
その熱量で、新NISAや投資、お金の勉強も始めてみてください。
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