この記事でわかること

NISA歴4年の僕が、こんな疑問に答えます。
僕が2019年から始めたNISAの運用成績を紹介します。
筆者のNISA運用成績(2024年8月)


現在の積立設定はこんな感じ。
筆者のポートフォリオ


楽天VTとオルカンのどちらがいいかというと、オルカンがおすすめです。
この記事を読めば、オルカンがおすすめの理由や、オルカンと楽天VTの違いがわかります。
どちらか悩んでいる方は、記事を読んで参考にしてください。


オルカンへの投資を始めるなら、新NISAに対応している銘柄ともらえるポイントの種類が多いSBI証券がおすすめです。
口座開設は無料で、開設したからいって無理にやる必要はないので、気軽に申し込んでみましょう。
すでにSBI証券以外で新NISAの口座をしていても、移管(乗り換え)は可能です。
楽天VTとは?
楽天VT(正式名称:楽天・全世界株式インデックスファンド)は、以下3つのETFに投資しているインデックスファンドです。
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETF
- バンガード・トータル・ワールド・インターナショナル・ストックETF
上記のETFを通じて、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と同じように世界中の株式へ分散させて投資しています。
ETFとは、証券取引所に上場している、リアルタイムでの取引が可能なインデックスファンドです。
一方、投資信託は上場しておらず、申し込みから数日後に取引が行われます。
なお、楽天VTはマザーファンド(大元)経由でETFに投資する投資信託なので、リアルタイムでの取引はできません。
【結論】楽天VTよりオルカンがおすすめ
オルカンと楽天VTなら、以下3つの理由でオルカンがおすすめです。
- 運用コストが低い
- 繰上償還の可能性が低い
- 税金面でお得
運用コストが低い
運用コストの低さは、長期投資において非常に重要な要素です。
オルカンの総経費率は0.11%であるのに対して楽天VTは0.22%と、その差は2倍です。
リターンを見ると、楽天VTが採用するFTSEの平均年率は円ベースでプラス10%と、ACWIの平均年率(円ベース:プラス9.3%)を上回っています。
しかし、設定来のリターンを比較すると、オルカンが上です。
- オルカン:プラス149.13%
- 楽天VT:プラス142.71%
この差は、運用コストの差によって生まれたのでしょう。
長期運用では、わずかな運用コストの差が複利効果によって大きな差となって現れます。



運用コストが低いオルカンの方が、長期的には有利なわけだね。
繰上償還の可能性が低い
投資信託を選ぶ際、安定的に運用が継続されるかどうかも重要なポイントです。
純資産総額を比較すると、オルカンが約4.17兆円(4,175,004百万円)であるのに対し、楽天VTは約5,172億円(517,205百万円)と、オルカンが大きく上回っています。
純資産総額が大きいほどファンドは安定した運用ができるので、運用に困って繰上償還が起こるリスクも小さくなります。
予定より早くファンドの運用が終わってしまうのが繰上償還です。
繰上償還された時点で、投資していたお金の全額が「償還金」として返ってきます。
投資において重要なのは、長く運用し続けることです。



長期投資を考える投資家にとって、繰上償還の可能性が低いのは大きなメリットとなるでしょう。
税金面でお得
税金面でも、オルカンの方が有利です。
楽天VTはETF(上場投資信託)に投資しているため、以下3回課税されます(三重課税)。
- 外国株式のリターンに課税
- 米国での課税
- 日本で課税
イギリスの株式で利益を得た場合、まずイギリスで課税されて、ETFを運用するバンガード社がある米国に渡ります。
米国でまた課税されて日本に渡り、日本でもさらに課税されるため、三重課税が起こるわけです。



一方、オルカンは投資信託であり、米国を経由せず戻ってくるので、米国での課税がありません。
ETFには「外国税控除」はあるが・・・
ETFの場合は「外国税控除」によって、米国で課税された分の調整が入ります。
しかし、新NISAでは外国税控除が適用されません。
長期的な資産形成を考える上で、税金の影響は無視できない要素です。



税金面でも、オルカンの方が優位そうだね。
楽天VTとオルカンを5つの項目で比較
eMAXIS Slim 全世界株式(以下オルカン)と楽天VTは、どちらも全世界株式に投資できるインデックスファンドです。
両者の違いを、以下5つの項目から比較してみましょう。
- ベンチマーク
- 運用コスト・手数料
- 平均年率
- 純資産総額
- 新NISAでの人気度
ベンチマーク
オルカンと楽天VTは、異なるベンチマーク(指数)を採用しています。
ファンド | ベンチマーク |
---|---|
オルカン | ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス) |
楽天VT | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
ACWIとFTSEの大きな違いは、構成銘柄数と株式時価総額のカバー率です。
ベンチマーク | 組入銘柄数 | 時価総額カバー率 |
---|---|---|
ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス) | 約2,800銘柄 | 約85% |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | 約9,000銘柄 | 約99% |



ACWIとFTSEはどっちがいいの?



FTSEを採用しているSBI・全世界株式インデックス・ファンドとオルカンを比べると、オルカンの方がリターンは上です。
なので、よほどの理由がない限りは、ACWIを採用しているオルカンを選びましょう。
運用コスト・手数料
オルカンと楽天VT、どちらも以下3つの手数料がかかりません。
- 買付手数料
- 信託財産留保額
- 解約手数料
しかし、信託報酬と総経費率には大きな差があります。
信託報酬 | 総経費率 | |
---|---|---|
楽天VT | 0.192% | 0.22% |
オルカン | 0.5775% | 0.11% |
比べると、オルカンの総経費率は楽天VTの半分ですね。



この差は、どう影響するのかな?



後述しますが、リターンに影響しています。
平均年率(利回り)
myINDEX というサイトによると、ACWIとFTSEの30年間の平均年率は以下のとおり。
一見、FTSEの方がリターンは大きそうですが、前述の運用コストによって楽天VTの最終的なリターンが少なくなっています。
また、5年間のリターンは以下のとおりです。
オルカン | 19.31% |
---|---|
楽天VT | 18.64% |
さらに、6ヶ月、1年、3年のいずれの期間でもオルカンの方がリターンは大きくなっています。



運用コストの差が、こうやって影響しているわけだね。
純資産総額
純資産総額は、その商品に投資家からどれだけのお金が集まっているかを示す指標です。
それぞれの純資産総額は、以下のとおり。
オルカン | 約4.17兆円(4,175,004百万円) |
---|---|
楽天VT | 5,172億円(517,205百万円) |
どちらも十分な純資産総額を持っており、安定した運用が期待できます。



純資産総額が大きいほど、繰上償還(途中で運用が終わること)の可能性が低く、長く運用できやすいといわれています。
新NISAでの人気
新NISAにおいてオルカンと楽天VTでは、オルカンの方が人気は上です。
SBI証券でのランキングは、以下のとおり。
オルカン | 楽天VT | |
---|---|---|
販売金額(週間) | 1位 | 65位 |
販売件数(週間) | 1位 | 44位 |
積立設定金額(月間) | – | – |
積立設定件数(月間) | 1位 | – |
NISA販売金額(週間) | 1位 | 38位 |
NISA積立設定件数(月間) | 1位 | – |
トータルリターン(1年) | 271位 | 362位 |
分配金利回り | – | – |
純資産増加額(前月比) | 1位 | 18位 |
資金連続流入(3ヶ月) | 1位 | 41位 |
比べると、大半はオルカンが1位ですね。



ここまでで比較してわかるように、よほどの理由がない限りは楽天VTよりオルカンを選んだ方がいいでしょう。
オルカン投資におすすめの証券口座は2つ
オルカンへの投資におすすめなのは、SBI証券と楽天証券です。
どちらかは、以下の基準で選べばいいでしょう。
SBI証券
購入できる銘柄数 | つみたて投資枠:218本 |
---|---|
成長投資枠:1153本 | |
積立最低額 | 100円 |
手数料 | 日本株、米国株式、海外ETFの売買手数料が無料 |
クレジットカードでの積立 | ◯ |
対応クレジットカード | 三井住友カード Oliveフレキシブルペイ アプラスカード 東急カード タカシマヤカード UCSマークのついたカード 大丸松坂屋カード オリコカード |
還元してもらえるポイント | Tポイント Pontaポイント dポイント Vポイント |
SBI証券の特徴 | 投資信託、日本株、米国株、海外ETFの売買手数料が無料 J.Dパワー、オリコンで満足度1位獲得 クレカ積立に対応しているクレジットカードが豊富 |
SBI証券は、
それぞれで1位を獲得している、人気のネット証券です。
【証券部門】(対象10社)
第1位:SBI証券(674ポイント)
引用元:J.Dパワー2023年NISA顧客満足度調査 SM<証券部門>
「NISA口座で取引できる投資商品の豊富さ」、「NISA口座での運用のしやすさ(売買・積立商品の変更など)」の2ファクターで最高評価。
どこで新NISAを始めるか悩んでいる方は、SBI証券を選べば間違いないでしょう。
おすすめのクレジットカードは「三井住友カード」
SBI証券は、クレカ積立に対応しているクレジットカードが多くあります。
その中でおすすめなのが、三井住友カードです。
カードのグレードに応じて、買い付け時にVポイントをもらえます。
グレードごとのもらえるポイント
カード | 還元率 | 年会費 |
---|---|---|
三井住友カード | 0.5% | 無料 |
三井住友カードゴールド | 1% | 5,500円 |
三井住友カードプラチナプリファード | 5% | 33,000円 |
たまったVポイントは、1ポイント=1円で、買い付け時に利用できます。
三井住友カードを持っていない方は、SBI証券の口座開設と合わせて、カードを申し込んでおきましょう。
まずは年会費無料から
最初は、年会費無料の「三井住友カード」で十分です。
しかし、毎月上限の10万円積み立てる予定なら利用限度額が足りないので、ゴールド以上を選びましょう。
毎月10万円積み立てた時にもらえるポイント
カード | 年間にもらえるポイント | もらえるポイントー年会費 |
---|---|---|
三井住友カード | 5,000ポイント(年間100万円まで) | 5,000ポイント |
三井住友カードゴールド | 12,000ポイント | 6,500ポイント |
三井住友カードプラチナプリファード | 60,000ポイント | 27,000ポイント |
まずは年会費無料から作って、100万円以上投資できるようになったら、グレードを上げましょう。
- どこでNISA口座を開設するか悩んでいる
- 三井住友カードを持っている
楽天証券
購入できる銘柄数 | つみたて投資枠:211本 |
---|---|
成長投資枠:887本 | |
積立最低額 | 100円 |
手数料 | 無料 |
手数料クレジットカードでの積立 | ◯ |
還元してもらえるポイント | 楽天ポイント |
楽天証券の特徴 | 投資信託を積み立てたときや残高がたまったときにポイントをもらえる 楽天ポイントで投資できる |
楽天証券では、楽天カードを使って積み立てれば、毎月15万円までポイントがもらえます。
カードごとの、ポイント進呈率は以下のとおり。
カードの種類 | 進呈率 |
---|---|
楽天カード | 0.5% |
楽天カードゴールド | 0.75% |
楽天プレミアムカード | 1% |
たまった楽天ポイントは1ポイント=1円で投資に使えます。
- 楽天カードを使っている
- 楽天市場や楽天モバイルを利用している
楽天証券で運用するなら楽天オルカンがおすすめ
楽天証券で運用する場合、楽天オルカンがおすすめです。
楽天オルカンは、楽天証券の「投信残高ポイントプログラム」の対象銘柄となっています。
対象となる投資信託を保有すると、ポイントがもらえるサービスです。
楽天証券の場合、「楽天〇〇」といった名称の投資信託が投信残高ポイントプログラムの対象となります。
一方、楽天証券では、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は投信残高ポイントプログラムの対象銘柄ではありません。



楽天証券を利用しているなら、ポイントがもらえてお得な楽天オルカンを選びましょう。
よくある質問
- 楽天オルカンと楽天VTの違いは?
- オルカンと楽天VTの両方に投資するのはあり?
- 楽天VTと楽天VTIの違いは?
- 楽天VTとSBI・V・全世界株式の違いは?
楽天オルカンと楽天VTの違いは?
楽天オルカンと楽天VTの大きな違いは、採用しているベンチマークです。
楽天オルカンはACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)を採用しているのに対し、楽天VTはFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスを採用しています。
オルカンと楽天VTの両方に投資するのはあり?
結論からいえば、なしです。
オルカンと楽天VTはどちらも「世界中の株式に分散させて投資する」という方針が同じなので、両方に投資するメリットはほとんどありません。



両方に投資すると合計の運用コストが増えてしまうだけなので、どちらかだけに投資しましょう。
楽天VTと楽天VTIの違いは?
楽天VTと楽天VTIの主な違いは、投資する範囲にあります。
楽天VTは世界中の株式に投資するグローバル株式ファンドで、楽天VTIは米国株式に分散投資するファンドです。



楽天VTはETF版オルカン、楽天VTIはETF版S&P500と考えるとわかりやそう。
楽天VTとSBI・V・全世界株式の違いは?
楽天VTとSBI・V・全世界株式では、投資するETFが異なります。
楽天VTの投資先は、以下3つのETFです。
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETF
- バンガード・トータル・ワールド・インターナショナル・ストックETF
一方、SBI・V・全世界株式はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF1本のみに投資しています。



ベンチマークが同じなので大きな違いはないといえるでしょう。
まとめ:楽天VTよりオルカン
楽天VTは、3つのETFに投資しているインデックスファンドです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比べると、若干リターンが低くなっています。
設定来のトータルリターンは以下のとおり。
オルカン | プラス149.13% |
---|---|
楽天VT | プラス142.71% |
また、楽天VTは運用コストが高いのがデメリットです。



なので、世界中に分散投資したい方は、オルカンを選びましょう。
銘柄は、eMAXIS Slim 全世界株式を選べばOKです。


しかし、楽天証券を利用しているなら、投信残高ポイントプログラムでポイントをもらえる、楽天オルカンを選びましょう。


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